育苗ハウスが火事になりました。

約1カ月振りの投稿となりますが、まずはあまり明るくないご報告からさせて頂きます。

2月9日朝、種まき作業を進めていた育苗ハウスから出火しハウス1棟がほぼ全焼してしまいました。幸い、ハウス内はまだ誰もいない朝で負傷者もおらず風もあまり強くない時間帯だったため、他のハウスや隣の方の住宅などへの二次災害はありませんでした。

火災の代償としては育苗中だった1万近くの花の幼苗、暖房機を含む発芽器、播種機などの機械類。その他の生産資材。ありとあらゆる物が元の姿がわからない状態になりました。また、プラグトレイや苗箱などプラスチック製のトレーを大量に重ねて保管していたためそれらが火災の勢いを更に強めたようです。

また、共済保険に関してはハウスや設備を中古一式という形で購入したため一つひとつの資産価値がわからず保証に入れないという理由から共済保険には入っていませんでした。昨年暖房機を更新したのでその際に見直しておくべきだったのかも知れません。

出火の原因は育苗に使っていた電熱線ケーブルで間違いないと思われます。電熱線の上に重量物を置いたため熱が溜まりそこから出火した可能性が高いということでした。私の場合は下から断熱材、アクリル板、電熱線、カーペット(アルミ板)、育苗トレイという設置方法でした。

再発防止のためにもメーカーに問い合わせた所そもそもの電熱ケーブルの使い方が間違っていて、電熱線の上に板やカーペットを敷き育苗トレイを乗せる方法は推奨していないということがわかりました。詳しくは日本ノーデン㈱のページに載っています。対策としては園芸マットという広げて使う育苗用の物があると紹介されたのでそちらを購入設置しました。

全国で間違った使い方をして火災の事例が出ているんです。というメーカーの方の言葉もありましたので、もし心当たりがある方は電熱線の設置方法や使い方、再度確認してみてはいかがでしょうか。

少し長くなりますが、ここからは明るい報告です。

焼けたハウスをどうするかの判断に時間をかけられなかったので、機械を再度購入し、すぐにハウスを修繕し使う方向で動き始めました。

翌日から焼けたフィルムをはがし、焦げ付いたビニールを削り落とし、油性ペンキでハウスのパイプを全塗装しました。高熱でパイプの強度が落ちているのでハウスのアーチ全てに補強を増やしました。屋根のビニールをかけた後はひたすら中の罹災物を外へ運び出し、種まき再開のための復旧作業を続けました。

有難いことに土日に沢山の人に手伝いに来て頂き順調に復旧が進みました。中には昼前に来て炊き出しのご飯を食べやる気だけ置いて帰った人もいました。

ハウスの準備と並行して機械の発注、資金繰り、電気配線の工事など各業者の方々の力を存分に頼りました。どの方も普段の業務で忙しい中、時間を作って早急に対応して下さりました。本当に感謝しかありません。

また、火災が起きた当日・翌日にも「心配になって」とか「こんな時しか足を運ばなくてゴメンね」と言いながらも駆け付けて下さった方もいました。

「自分達の力で何とかやってきた」みたいに思っていた自分が恥ずかしくなりました。こんなにも沢山の人に支えられているのかという事実と、これは何をどうやっても必ず復旧・再開させなきゃならん。という今まで以上の責任を強く感じました。

そして2月26日、ようやく花の種蒔きを再開することが出来ました。農家になると決めてから今日ここまで色んな人に色んな言葉を言われたけど、応援してくれる人がいる。ということを身を持って感じられた数日でした。また、比布町で農家になれて良かった。心からそう思える一件でした。

今回の火災でハウスや機械・資材が燃えましたがその中でも一番火が着いたのは、私達のハートです。春にまた、良いお知らせが出来るようにご期待下さい。

長文お読み頂き有難うございました。